コケティッシュおねえさんの主張

魅惑の瞳は、秘密を語る
赤い唇は、甘い罠
指先ひとつで、心を惑わす
それが私の、生きる術飾られた笑顔の、奥に潜む
計算された、無邪気さ
翻弄することに、喜びを感じて
罪深いほどに、美しい視線は熱く、言葉は甘く
近づくほどに、遠ざかる
手のひらで踊る、蝶のように
掴めそうで掴めない、幻夜の帳が下りる、その瞬間
私は私を、演じきる
求められるまま、応じる喜び
仮面の下の、真実を隠して誘う仕草は、罪深き媚薬
抗うことなど、無意味でしょう
心の奥まで、染め上げていく
私の色に、染め上げていく囁く声は、甘い調べ
耳元で溶ける、吐息
言葉の裏には、別の意味
気づいていても、もう遅い優雅な身のこなし、香る媚
視線を奪う、存在感
誰もが虜になる、その魅力
抗えない引力、それが私遊びと知りつつ、惹かれてしまう
理性など、意味をなさない
燃え上がる感情、止められない
炎に身を焦がす、覚悟はあるかしら求めるならば、差し出しましょう
私のすべてを、この手に
ただし、覚悟はしてください
二度と戻れない、世界へと赤いルージュが、物語る
秘めたる想い、熱い渇望
言葉に出さずとも、伝わるでしょう
私の心の、叫びが指先で弄ぶ、グラスの氷
溶けていくのは、時間だけじゃない
あなたの心も、溶かしていく
ゆっくりと、確実に夜の静けさ、響くヒールの音
それはまるで、誘いの調べ
足を踏み入れる、禁断の領域
戻ることはできないと、知りながら微笑みの裏に、隠された棘
近づくほどに、痛みを覚える
それでも求める、その魅力に
囚われた心は、もう逃げられない言葉少なに、語るその瞳
多くを語らずとも、伝わる熱
触れた指先、残る温もり
忘れられない、その存在気まぐれな猫のように、現れては
するりと身をかわし、消え去る
残された香りは、切なく甘い
追いかけるほどに、遠くなる影それでも、焦がれてしまうのは
抗えない、魅力のせいでしょう
心を奪われ、魂までも
捧げてしまう、愚かさ今宵もまた、誰かの心を
惑わせ、弄び、手に入れる
満たされることのない、渇きを
埋めるように、繰り返す赤いネイル、妖しく光る
誘いのサイン、見逃さないで
一度捕らえれば、もう逃さない
それが私の、コケティッシュな主張コケティッシュおねえさんが左右の手を開いて顔の横に寄せている