イノセントおねえさんの水着

水平線が揺蕩う午後の砂浜に佇む 白い肌に映える真紅の布が潮風に舞う 微笑みは海の色を溶かしたように透き通り 波が砕ける音だけがやさしく囁きかける 貝殻の欠片が陽を浴びてキラリと光る 指先がそっとそれを拾い上げる仕草は 砂の上に描かれた儚い模様のように 誰にも知られずただそこに存在している 肩にかかる髪が日差しを抱きしめるように 微かに光る粒を纏いながら風に遊ぶ 遠くで汽笛が寂しげに鳴り響いている それは記憶の淵から響く子守唄だろうか 波打ち際を歩くその足跡はすぐに消え それでもまっすぐどこかへと続いていく 振り返らないその姿は海の彼方を見つめ どこまでも続く空と一つになろうとしている 頬を撫でる風が少しだけ熱を帯びて 瞳の奥に映る光をさらに輝かせる 手のひらからこぼれ落ちる砂は静かに 時間の流れをそっと止めてくれるようだった 遠くで楽しげな子供たちの声が聞こえ それも波の音に溶けてゆく幻の調べ 彼女はただ静かに立ち尽くしている 心の…