メロンソーダの恋

グラスの底に沈む、真夏の陽炎。 泡立つ翠が、君の瞳の色と重なった。 初めて出会ったあの日、カフェの窓辺に差し込む光は、 まるで僕らの未来を祝福するかのようだったね。 シュワシュワと弾ける炭酸は、 高鳴る僕の胸の鼓動。 一口飲むたびに、甘く広がるメロンの香りは、 君が放つ、抗えない魅力そのもの。 君はいつも、少しだけ気だるそうに、 ストローで氷をかき混ぜていた。 カラン、コロンと鳴る音は、 僕の心を揺さぶる、優しい子守歌。 グラスの縁についた水滴は、 僕の頬を伝う汗と、どこか似ていた。 ただ見つめるだけで、こんなにも熱くなるなんて、 恋って、こんなにも不思議な魔法なんだね。 君がふいに見せる、はにかんだ笑顔は、 ソーダの中を舞う、小さな気泡のよう。 掴もうとすれば、すぐに消えてしまうけれど、 その一瞬の輝きが、僕のすべてを照らした。 いつからだろう、君の隣にいることが、 当たり前の日常になっていたのは。 放課後のカフェ、夕焼けが窓を…