戦士ミサの実情

風が唸り、砂塵舞う、過酷な戦場に 一人の女戦士が立つ、名をミサという その瞳に宿るは、燃え盛る炎か あるいは凍てつく冬の、静かなる氷か 身に刻まれし、恐るべき傷痕は 過ぎし日の激戦を、雄弁に物語る 剣を握るその手は、固く引き締まり 研ぎ澄まされた刃は、静かに光る 幾多の敵を葬り、血の海を渡り 屍を乗り越え、彼女は進む 勝利の凱歌は、常に彼女と共に しかしその胸中は、誰にも知られぬ 民は彼女を、女傑と称え慕う その強さに畏敬の念を抱き 未来永劫、語り継がれる伝説に 彼女の名は刻まれ、輝き続ける しかし、闇夜に一人、月を見上げれば 彼女の心は、深く沈黙する 背負いし重圧、拭えぬ悲しみ その真の姿を、誰が知り得よう 血塗られた大地に、膝をつき伏せ 亡き友の名を、静かに呼ぶ 守りたかったもの、失われたもの 悔恨の念が、彼女を苛む 剣を振るうたび、魂が削られ 心は次第に、摩耗していく 勝利の代償は、あまりにも大きく 彼女の笑みは、薄れていくばかり 故郷…