汗と塩の物語
夏のグラウンド 夏の太陽が照りつけるグラウンド。少年野球チーム「雷電」の監督、大輔は、子どもたちの汗だくの顔を見つめていた。毎年この時期になると、必ずと言っていいほど数人の子どもが熱中症で倒れてしまう。水分補給は徹底しているつもりでも、なぜこうも熱中症が繰り返されるのか。大輔は悩んでいた。 「監督、水が足りないって」 一人の子が、バケツを持って駆け寄ってきた。大輔は、子どもたちに水筒を渡しながら、昨日のことを思い出していた。スポーツドクターの友人に相談したところ、「水分補給も大切だけど、塩分などのミネラル補給も忘れてはいけないよ」と言われたのだ。 「水分だけでなく、塩分も大切なんだよ。汗と一緒に塩分も失われてしまうと、体力がなくなってしまうよ」 スポーツドクターの言葉が、大輔の心に突き刺さった。水分補給だけでは不十分なのかもしれない。 塩分の大切さ 次の練習の日、大輔は子どもたちに塩分補給の大切さを説…