スマートおねえさんの水着

太陽を閉じ込めたような琥珀色の肌が 夏の海風を吸い込み輝く 砂浜に書かれた言葉を波がそっと消していく 誰も知らない過去を消すみたいに 水平線に溶けるような真っ青なビキニ しっとりとした布地が身体に寄り添う 誰のためでもない、自分のために選んだ 少しだけ背伸びした上質なもの 強い日差しが落とす影さえも美しい 遠い目をして、揺蕩う海を見つめている 何を想っているのか、それは誰にもわからない 静かな微笑みが口元に浮かぶ 寄せては返す波音だけが聞こえる 賑わうビーチにいるのに孤独な時間 それでも彼女はただそこにいるだけで 周りの景色を自分のものにする グラスに残った冷たいレモネード もう二度と戻らない夏の日々を ただ静かに、でも確かに懐かしんでいる 遠い記憶の欠片を拾い集めるように 濡れた髪から滴り落ちるしずく その一粒一粒がキラキラと光る 時間も、年齢も、すべてを超越して ただ今という瞬間を生きている 少しだけ焼けた肩に触れる夏の空気 それが…