シースルーおばさんの散歩

アスファルトが溶けそうな夏の夕暮れ、 茜色の光がビルの谷間を染めてゆく。 四丁目の角を曲がるその人の姿は、 いつも通り、夕方の風を纏っている。 薄いラベンダー色のシースルーブラウス、 透けて見える肌の白さが幻想的だ。 繊細なレースのブラジャーが覗き、 その影がゆらゆらと、揺れるたびに誘う。 タイトな白いパンツは足首で切れ、 軽やかなサンダルが小気味良い音を立てる。 彼女の歩く道は、どこか遠い国の、 夢見るような、熱帯の森の入り口のようだ。 必要最小限の秘密と鍵だけが、 パンツのポケットの奥に隠されていた。 遠くから見れば、ただの夏の装いだが、 近づけば、その薄さ、危うさに息を呑む。 彼女は視線を集めることを厭わない。 むしろ、それを静かに受け入れているようだ。 道行く人々が二度見、三度見するたび、 彼女の口元に微かな笑みが浮かぶ。 それは嘲りではなく、理解と、共感と、 そして、ほんの少しの挑戦の炎だ。 この都市の喧騒の中で、彼女だ…