スマホ黙示録
警報音が鳴り響く中、玲子は飛び起きた。時刻は午前3時。窓の外は薄明かりに包まれ、どこか不穏な空気が漂っていた。原因不明の不眠に悩まされていた彼女は、いつものようにスマートフォンに手を伸ばした。しかし、画面が暗転する。何度電源ボタンを押しても反応がない。 焦りを感じながら、玲子はベッドから飛び降りた。他の家電製品は全て正常に機能している。問題はスマートフォンだけだ。しかし、それは単なる機器の故障ではなかった。 職場に着くと、同僚たちの間で同じような報告が相次いだ。スマートフォンが全く動かなくなり、バックボタンしか反応しないというのだ。IT企業に勤める玲子は、この異変の深刻さをすぐに理解した。これは単なるバグではない、OSレベルの深刻な障害だ。 社内のサーバーにアクセスを試みるが、やはり繋がらない。世界中のネットワークが麻痺しているかのようだった。SNSはパニック状態。人々は、この事態を「スマホ黙…