ロマンティックおばさんの秋

紅葉の絨毯をゆっくりと踏みしめて かつて愛した人の影を探している 遠い日の約束は風に溶けて消えたけれど この胸の奥にはまだ温かい灯がともる カフェの窓辺でカプチーノを傾けて 過ぎ去った時間をそっと手繰り寄せている あの頃の私はもっと無謀で輝いていて 傷つくことさえ恐れなかった若さ 読みかけの古い小説をそっと開いて ページの間に挟まれたドライフラワーを見る 枯れた花弁に刻まれた想い出は 色褪せることなく鮮やかに咲き続ける 日暮れの公園でブランコに腰かけて 錆びた鎖が奏でる寂しいメロディを聞く 子供たちの笑い声が遠く聞こえてきて 私の心に静かな波紋が広がる アンティークショップで見つけたレースのハンカチ 繊細な模様に宿る誰かの愛しい記憶 触れるたびに蘇る甘く切ない香り まるで私の人生そのものみたい 夕焼け空に浮かぶ一筋の飛行機雲 あの人は今どこで空を見上げているだろう 同じ景色を違う場所から見ていると信じて そっと心の中で名前を呼んでみ…